お目が高い | ABE MOTORS group

高橋二朗(タカハシ ジロウ)

モータースポーツジャーナリスト。
GIRO Co., Ltd.代表 日本モータースポーツ記者会会長 NPO法人日本モータースポーツ推進機構理事。
国内外のモータースポーツイベントを取材、各誌に寄稿、発表。1983年よりルマン24時間レースを取材。
1989年にインディ500マイルレースで東洋人初のピットリポーターとして現地から衛生中継。
BS放送 J SPORTSのSUPER GT、SUPER FORMULA他シリーズのピットリポーター、解説。
SUPER GTトークバラエティ番組【GTV】のメインMC。

お目が高い

少年時代、青少年活動をしているときにリーダーとか先輩によく「LOOK WIDE」と言われたのを思い出します。そして、仕事を始めてからは、大先輩から視点を変えたらと良く言われたものであります。努力すれば変えられるのか?努力をするのは得意ではないので、変えられずに現在に至った次第です。ハイ。

でも。

ciccioが来てからいろいろなことが変わりました。

少しEVについて知識が少し増したりしていますが、乗ってすぐに感じた変化がドライブ中の視点、視覚的な変化。納車されて数日後に首都高速道路を走っていた時のことです。視線を少し横に向けた時の景色がそれまでと異なっていたのです。ciccioは、全高が1,550mmと3シリーズより100mmほど高いです。そして、インテリアのドライバーズシートの着座高も高くなっています。

カタログデータから算出するとシートの中央部は、地上から500mm+αくらいかな?実際に測ってみました。現在のドライバーズシートは、調整レバーによって一番低い位置にしてあります。路面から実測してみると620mm。思っていた以上に高かったです。シートを上げていたらもっと高かったことになります。思った以上にシートの着座高が高かったのは、アルミシャシーに納められたバッテリーとドライブモジュール全てが床下に収まっているので、当たり前といえば当たり前なのでしょうね。シートについては、とても満足しています。シート自体それほど厚くないデザイン。スポーティーなバケットタイプではないのですが、ホールドはしっかりしているし、柔らかすぎず、硬すぎず。東京から富士スピードウエイ、ツインリンクもてぎなど片道100kmから150kmくらいのドライブで疲れる感覚は全くありません。どのメディアかは忘れてしまったのですが、航空機のシートデザインが生かされているのではないかと書いてありました。それには納得ですね。アイポイントが高いといえば、レンタカーのワンボックスに乗ることがあります。最初から高い位置に乗り込むので視線が高くなるのは当然という意識があるので、特に景色が変わるという感覚は少なかったのですが、ciccioは、乗用車という感覚がベースにあるのでしょうか、3シリーズとの違いがとてもとても新鮮でありました。

アイポイント に関しては、こんなことを思い出しました。世界で最も過酷なモータースポーツ競技、パリ・ダカールラリーをご存知でしょう。1980年台半ばから1990年、2000年代にかけて三菱自動車がパジェロでこのラリーレイドをクラス、総合優勝で連覇していました。優勝報告記者会見で当時の監督のウルリッヒ・ブリューマー氏にパジェロの強さを質問したところ「ドライバーのアイポイントの高さだ」と答えられた。SUVという言葉が浸透しはじめた頃。三菱さんはパジェロで大活躍。その名を知らしめたのがパリ・ダカールラリーの成功であったわけです。アイポイントの高さは前方状況の把握に大きな利点があると監督は仰っていたのです。

 

ciccioのアイポイントは高いです。ブリューマー監督の言葉を思い出して、心強い気持ちになりましたね。そして、楽しみもプラスしてくれました。特に湾岸高速道路を走っていて横浜のベイブリッジを通過した時、横浜港、コンテナエリアを望む、それまでと異なった景色を見て、何故か嬉しくなりました。首都高の3号線もこれまで見たことのない建物や景色が見られたのです。

 

アイポイントが高い=重心が高い。

というロジックはi3には通じませんね。それは、重いバッテリーとドライブモジュールが床下に収まっていて、そして、シャシーの乗っかっているボディーはスチールではなくてカーボン。ドライブしてみれば百聞は一見にしかず。コーナリングであまりロールする感覚がないのです。サスペンションストロークも短いのですが、コーナーでアウト側のサスが縮んでロールするのは極わずか。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、スポーティカー並のコーナリングなのです。先日も、首都高速で背後から大排気量の国産スポーティカーが車間を詰めてきました。その先のタイトなコーナーにciccioはそのままの速度で進入して脱出。チラリとバックミラーを見ると、コーナー手前で数メーターだった車間は10メーター以上に広がっていました。アイポイントのお陰でコーナーに入り易くなったし、ナロートレッドのタイヤなのにコーナリングの安定度はかなり高いです。

山口百恵の歌のフレーズが頭の中を・・・🎼馬鹿にしないでよ〜🎶

 

お後がよろしいようで・・・。

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